平崎真弓&クリスティアン・ベザイデンホウト デュオ・リサイタル

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上野で所用を済ませ文化会館の方に向かって歩いていると、修学旅行生と思しき中高生がたくさん。自由行動みたいなのでしょうか。楽しそうで結構ですね。僕も自分の修学旅行を思い出しました。僕は新潟生まれで、中学の修学旅行で東京に行きました。そのときは集合場所が都庁の前の広場でした。今は上野駅の公園口の前も工事が終わって横断歩道がなくなり、広くなったので、ちょうど文化会館の前あたりに集合している学校団体もいました。やっと修学旅行とかもできるようになったんでしょうし、楽しんでほしいですね。

【平崎真弓&クリスティアン・ベザイデンホウト デュオ・リサイタル】
(2023年5月11日、東京文化会館小ホール)

モーツァルト:
ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ第24番 ハ長調 K296
ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ第35番 ト長調 K379
「泉のほとりで」による6つの変奏曲 ト短調 K360
ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ第40番 変ロ長調 K454
 アンコール モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 KV304より第2楽章

ヴァイオリン:平崎真弓
フォルテピアノ:クリスティアン・ベザイデンホウト


平日夜と土日は子どもとの時間を優先させているので、基本的に平日マチネしか行かないんですけど、そうすると来日アーティストって中々聴けないんですよね。今回はたまたま、しかも大物アーティストを平日昼に聴ける、ラッキーだなあ。

お二人は割とカジュアルな格好で登場。平崎さんのライトグリーンの衣装が春らしくて素敵です。まずはK.296、自然体で美しい音色。でしたが、個人的にはあまりはまらず。ベザイデンホウトってこんなにインテンポでつまらん古典派弾く人だっけなと。いや、普通に超上手いですけどね、ミスしないし、でもイメージと違った……しかも僕の席からはちょっとヴァイオリンの出音の方が大きく聴こえて、こんなモーツァルトのほぼピアノメインのソナタなのに、と、ちょっとがっかり。1曲終わるとフォルテピアノの調律が。ベザイデンホウト的に何か気になるところがあったのでしょうか、そのせいで本領でなかったのかしら、まあ事情は全然知らんけどね。インテンポでつまらんと思ったのは最初だけで、あとの曲は自由闊達な表現。2曲め、K.379はめっちゃ良かったです。もう冒頭のフォルテピアノから感激。先月ムイエールの録音聴いて、やっぱりK.379って良い曲だなあと思っていたのもあり、尚更。開始の瞬間で空気を持っていく。僕のメンタルも瞬時に変えてくれました。いやー、凄い。

休憩でホワイエに出ると雨が。嵐を呼ぶモーツァルトだ。後半は変奏曲K360、これがもう、最高に素晴らしかったですね。統一感と多様な表現って矛盾しているようで、ちゃんと両立するんだなあと、感激。K.379の最後の変奏曲よりもいっそう美しく聴こえました。最後はK.454、この曲はよくBGMに流すんですが、ちゃんと聴くのはあまりない。これも素晴らしい演奏でした。この曲はヴァイオリンもちゃんと聴こえないといけないし(まあどれもそうっちゃそうですが)、自然体で繊細なヴァイオリンに、フォルテピアノも表現の幅と完成度、放たれる完全性がものすごい。3楽章のラストも圧巻。アンコールも美しく歌う演奏に感動しました。凄いものを見た感。良い演奏会でした。文化会館前で集合していた中高生たちも入ったら良かったのに(笑) 動物園は色なんとこにあるけど、このモーツァルトはそうそう聴けないぞ!


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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