気づけば今年は3回め、東京オペラシティのヴィジュアルオルガンコンサート。今回は、いや、今回も、全然知らない曲ばかりのコンサートで、どんな曲なんだろうとワクワク。
【東京オペラシティのヴィジュアル・オルガンコンサート 240】
(2025年9月19日、東京オペラシティコンサートホール)
〈歌と祈りで奏でるオルガン作品〉
・ラングレ:グレゴリオ狂詩曲
・ノールト:詩篇第24編
・坂本日菜:黎明
・トゥルヌミール:「復活のいけにえに」によるコラール即興曲
高田恵里(オルガン)

なんとなくですけど、お客さん多くない? 毎回こんなもんだったっけ? 全然関係ない話、僕の隣(厳密には隣の隣)に座ってきたじいさん、まず自席に腰掛けると、すっと隣の席(つまり僕の隣)の椅子を下ろしてカバンを置いたんだが、さもそこが空席になることがわかっていた風だったのが気になる。このコンサート、teketの1アカウントで2枚まで無料で取れますので、もしかするとわざと2枚取っているのかもしれない……たまたま同行者が欠席というパターンもあるだろうけど。だって結構開演ギリギリにならないと隣が空くかどうかなんてわからないじゃんね。あやしいなあ! ほら、最近、高速バスで「相席ブロック」する人がいるってニュースになっていたじゃないですか。わざと2席取って、キャンセル料が安いからって直前キャンセルして一人で2席使うってやつ。そういうことをする悪いやつが世の中多くてニュースになるんだから、ここでもいそうだなあ。
ジャン・ラングレー(1907-1991)のグレゴリオ狂詩曲で幕開け。ラングレーはフランスのオルガン奏者で、多作家だそうです。グレゴリオ聖歌を用いた自由に展開する音楽で華々しく開始。華やかだけど荘厳さもあるというのが、いかにも巨大パイプオルガンとグレゴリオ聖歌って感じだ。続けて17世紀オランダの作曲家、アントニ・ファン・ノールト (1619-1675)の詩篇第24編。テーマと3つの変奏曲、これは時代感もあって、バリバリ弾く20世紀作品の後に聴くのがとても良い。美しかった。
坂本日菜(1968-)さんの「黎明」という曲がまた良かった。きっとこれは今回聴いた人たちみんな、この曲良かったなと思いながら帰ったのではないでしょうか。坂本さんという作曲家は今日演奏する高田さんの先生だそうで、笙を模した和音やペダルの最低音による和太鼓を模した響き、マグダラのマリアとイエスの復活という明快な筋書きなど、非常にわかりやすく、かつ深遠さもある静謐な音楽、とても良かったです。スイスで学んだ高田さんが卒業演奏会で弾いた曲だそうで、そのときも今日もスイスのクーン社のオルガン。思い入れのある曲を日本で弾けて嬉しいと仰っていました。坂本さんも会場に来られ、演奏後は称え合っていました。最後はシャルル・トゥルヌミール(1870-1939)の「復活のいけにえに」によるコーラル即興曲、これもオルガン界隈では有名な曲のようですね、録音たくさんあるっぽい。華やかで力強く〆。満足。今日はたまたま、うだるような暑さではなく涼しい日で、厳かさもなお心地よい。良い演奏会でした。
Author: funapee(Twitter)都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more





