「上野 de クラシック」というシリーズがあるらしい。不勉強なので知りませんでした。11時スタートというのも良いですね。13時とか13時半とかに始まると、昼食後で眠くなることもあるし、ちょうどいいや……なんて思っていたら、空腹と戦いながら聞くことになるとは(笑) なかなか難しいものですね。終演後は、もう六厘舎に行列が出来ていたのでパスして速攻さくらテラスに向かって鳥光國でお肉食べました。
【上野 de クラシック Vol.84 弦楽四重奏 レグルス・クァルテット】
(2023年7月12日、東京文化会館小ホール)
ハイドン:弦楽四重奏曲第79番 ニ長調 Op.76-5 Hob.III:79「ラルゴ」
シューベルト : 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810「死と乙女」
レグルス・クァルテット
ヴァイオリン:吉江美桜、東條太河
ヴィオラ:山本周
チェロ:矢部優典
このカルテットは2019年に結成したそうです。全く存じ上げなかったのですが、3年前にもここで弾いて、また帰ってこれて嬉しい的なことを吉江さんが話していました。良いホールはたくさんあるけど、弦楽四重奏にとって東京文化会館の小ホールって、良いですよね。僕はここで聴くの好きです。カルテットのことは全くの無知でポスターにある写真くらいしか情報ない状態で聴きに来たんですけど、まず、吉江さんが青いドレスで登場したのが、とても良かったですね、なんせもうね、外が暑くて暑くて、視覚的に涼しく登場してくれただけで、もうその段階で嬉しくなってしまった。女神のようである。男性陣は謎のテロっとしたスーツで登場、柔らかくて弾きやすいのかしら。わからん。僕も「最近の若い子の服装はわからんおじさん」になってしまったので、最近の若い子の服装はわからん。
ハイドンの「ラルゴ」、とても整っているアンサンブル。きっちりやるんだなと伝わります。でも柔軟性もあって、メリハリ効いてて、美しかったですね。大好きな「死と乙女」、これもとても良かったです。多少好みの解釈と違うとこはあるけど、もう、特に1stVnの吉江さんの歌いたい気持ちが溢れ出ていて、古典派(というかシューベルト)を聴く楽しさが満ち満ちていました。奏者みんながこの曲が好きなんだなということは大変伝わった。スタイルは基本きっちりなので、1楽章もきっちりインテンポ気味なのを聴きながら頭の中で何川さんが「もっと、崩していいから……」と言い出すのを抑えながら、いくぶん真面目な方に寄ったシューベルトを楽しませてもらいました。この四重奏曲はウィーン的ではなくドイツ的なというか、そういうクソ真面目に堅牢にやったとしても、それはそれで合う良い曲よね。でも後半楽章では演奏のノリも良くなって、それも楽しい。良かった。全体的に抜きが無くてスーパー真面目な演奏だったと感じたのですが、そういうのでも楽しめる演目だったし、何の文句もないわ、素晴らしかった。今年は春にもタレイア・クァルテットという団体の死と乙女を聴けたし、2回も聴けて嬉しいですね。この調子で秋と冬も聴けたら良いんですけど(笑) 良い音楽を聴いて良い気持ちで外に出たら熱波が。暑すぎるだろ。ちょっとこの暑さだと、駅から徒歩で時間かかる会場の演奏会に行くのは考えものだな。文化会館は上野駅の公園口からなら1分もかからないし、良いよね。
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more