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この日はハイリゲンシュタットに行き、夜はコンツェルトハウスで念願のウィーン・フィルという、コテコテな音楽の一日の予定。朝、散歩に出ると、昨日楽友協会ホールで聴いたウィーン・モーツァルト管のトラックがいました。わかりやすいことこの上ないですね。てくてく歩いて王宮(ホーフブルク)の庭園(ブルク庭園)へ。ここはモーツァルト像で有名なところです。像の前のト音記号の植え込みが可愛らしいですね。ここは写真を撮る人が絶えず、なかなかベストショットを撮るのが難しいところです。あと、近くに巨大なゲーテ像もありました。
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ハイリゲンシュタットまでは路面電車(シュトラーセンバーン)で行くことにしました。路面電車が走っている風景って、素敵ですよね。ちなみに列車の中はこんな感じ。見た目通り、結構狭いです。概してヨーロッパの鉄道は、日本に比べると狭い印象ですね。ヨーロッパの人の方が大きいだろうに。
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ベートーヴェンが遺書を書いたことで有名なハイリゲンシュタットに到着。ウィーンの北の方に位置し、路面電車に揺られて30分くらいで着きます。郊外にあり緑も多く、引越し魔のベートーヴェンも避暑地として好んだ地です。ここは戦争で爆撃されなかったので、ベートーヴェンゆかりの風景がまだ残っているところなんですね。都心部とは随分雰囲気が違います。さっきまで東京の銀座・日本橋にいたのが、京王線で高尾山の方に来たような感覚です。
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ベートーヴェンも良く歩いたとされる、通称Beethovengang(ベートーヴェンの散歩道)を僕らもとことこ歩いてみました。道自体はごく普通の道なのですが、ここをベートーヴェンが歩いたと思うとまた一段と気持ちの良いところに感じます。この小川沿いを歩きながら、ベートーヴェンは田園交響曲の構想を練っていたんだそうです。僕も何か良い音楽が浮かんだら良いなあなんてことを思いながら、緑の多い小径を歩き、静かでのんびりとした時間を過ごしました。ベートーヴェンの像にもご対面。
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そして、ベートーヴェンが遺書を書いた、ハイリゲンシュタットの遺書の家へ。今は中が博物館になっています。ベートーヴェンゆかりの品々がずらり。デスマスクや自筆譜、彼が弾いたであろうピアノも展示されていました。ベートーヴェンハウスに住まう(?)黒猫さんも発見。ヨーロッパの猫! かわいい! ヨーロッパの猫というだけでなんかかわいいしかっこいい気がする! たまらんですね!
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本当ならウィーンを見渡せるカーレンベルクの丘まで足を伸ばしたかったのですが、あいにく雨が降ってきたので、ウィーン中心部に戻ることに。帰りは地下鉄(Uバーン)で帰ることにしました。僕らはお寿司が大好きなので、まあネタでヨーロッパでも何かしらお寿司を食べようと思っていたところでハイリゲンシュタット駅内に寿司バー発見。せっかくなので食べてみることに。魚はまあ、普通の魚の味ですが、この白いものは謎のチーズにぎりのようなもので、正直味は何とも……でした(笑) フランスでもお寿司を食べようと思っていたのですが、残念ながらありつけなかったので、旅行中唯一のお寿司です。
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僕が「ザッハーに泊まる」という話をすると友人数名がなぜか「ザッハトルテはザッハーよりデーメルの方が美味い」とオススメされていたので、有名カフェ「デーメル」へ。雨も上がって歩いていると、高級感のある佇まいのカフェには行列が出来ていました。並んでいる間は、ガラス張りの厨房が覗けて、ザッハトルテなどを作る行程が見れます。少し待って、いよいよザッハトルテ・タイム。なるほど、こちらのザッハトルテは甘すぎず、なかなかお上品なお味。僕はザッハーの方が好みでしたが、ウィーンで色々な味のザッハトルテを楽しめて大満足です。デーメルのは日本でも食べられますしね。ザッハーのは日本でも売ってる所あるんでしょうか。やはり多少パンチの効いた味の方が良いですよ。
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お店の外には現代の辻音楽師が。しかもこの人、結構楽器が上手いという……。
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夜は、このためにウィーンに来たと言っても過言ではない、コンツェルトハウスでのウィーン・フィルの演奏会です。この演奏会の感想はこちらから。演奏会後、食事をして、歩いてホテルまで帰りました。ウィーン中心部は夜でもかなり治安の良かった印象です。散歩している観光客も多いですし、慣れていない日本人でも安心できました。
続きはこちら
ウィーン・パリ旅行記1
ウィーン・パリ旅行記2
ウィーン・パリ旅行記3
ウィーン・パリ旅行記4
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都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more