クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

  • レブレヒトのウィーン・フィル「ニューイヤーコンサート」批判(前編)
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シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」:真に輝くものは

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」:真に輝くものは

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810「死と乙女」 何度かシューベルトの楽曲をこのブログで取り上げており、その時いつも言っているような気がするのは、シューベルトは基本的にシャイなので、本当に彼が言いたいことは色々あるだろうけれども、音楽ではその全てを語りきっていないということ。 だから前提として、この曲でもおそらくシューベルトは彼の本心をあからさまにさらけ出すような真似はしないし、当 […]
マルタン アイルランド民謡による三重奏曲:若さと民謡のダブルアタック

マルタン アイルランド民謡による三重奏曲:若さと民謡のダブルアタック

マルタン アイルランド民謡による三重奏曲 曲名だけで「これは絶対良い曲だ!」と確信していて、実演に触れて本当に素敵な曲だった!と感動した作品である。こちとら「リバーダンス」全盛期に青春時代を過ごした世代である。アイルランド音楽というのはそれだけで無条件で心躍るのだ。 フランク・マルタン(1890-1974)はスイスの作曲家。今回取り上げる「アイルランド民謡による三重奏曲」はピアノ、ヴァイオリン、チ […]
マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調:カヴァレリアの呪縛、の前に……

マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調:カヴァレリアの呪縛、の前に……

マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調 カヴァレリア・ルスティカーナについて記事を書いたのが2008年なので、10年近く空けて書くことになる。僕もまさかここにマスカーニの、それもオペラでなくてピアノ作品について取り上げて書くことになるとは夢にも思わなかったが、ブログ更新頻度が激減している状況にもかかわらず、ぜひとも更新したい書きたい多くの人に知らせたい!と思わせるだけの名曲であること […]
ヘンツェ イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート:シャコンヌを踊るシャコンヌ

ヘンツェ イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート:シャコンヌを踊るシャコンヌ

ヘンツェ イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012)は、ドイツの近現代を代表する作曲家で、数多くのオペラやオーケストラ作品などを残している。特に、当時革新的であった十二音技法や無調などの技法と、伝統的・保守的な音楽との、ちょうど中間の様式を採用した作品が多く、今回取り上げる曲もまさにその作風が色濃く反映されている作品だ。 CDジャーナルのレビューで「有 […]
【名盤への勧誘】ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68 サー・エイドリアン・ボールト/ロンドン・フィル(1972年3月)

【名盤への勧誘】ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68 サー・エイドリアン・ボールト/ロンドン・フィル(1972年3月)

オススメの名盤はこちら。 ブラームス:交響曲全集(3枚組)ブラームス,エードリアン・ボールト,ロンドン交響楽団 Disky売り上げランキング : 29803 Amazonで詳しく見る by AZlink ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68 サー・エイドリアン・ボールト/ロンドン・フィル(1972年3月) 名盤として取り上げるには様々な条件があると思うが、これは歴史的な名演とか演奏技術が卓越 […]
バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番:恋の憐憫

バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番:恋の憐憫

バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ長調 ここ数年における僕のお気に入り作曲家、アーノルド・バックスのヴァイオリン・ソナタを紹介しよう。 イギリスの女流ピアニスト、ハリエット・コーエンと不倫関係にあったことで有名なバックスは、彼女だけでなく、まことに恋多き人生を送った作曲家としても名高い。 また以前取り上げた交響詩「春の火」もそうだが、彼の音楽は詩人からの影響を大いに受けている。 恋と詩……ま […]
【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月)

【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月)

【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月) 【名盤への勧誘】と冠して、今まで珠玉の名曲を取り上げてきたこのブログで、今度からは名盤・名演についてのエッセイも投稿していこう。ということで、1回目から、前書いた文章の焼き直しという手抜きっぷりだが、そこはご容赦願いたい。どれが名盤かなんて […]
ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲:人生を肯定する音楽

ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲:人生を肯定する音楽

ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ハチャトゥリアンをはじめとした多くのソ連時代の作曲家たちのキャリアというのは、スターリンの「社会主義リアリズム」との間の暫定協定を勝ち取ることができる音楽スタイルを模索することだったと言っても過言ではあるまい。 賞賛されたと思えば批判され、ソ連が崩壊するまでそれを繰り返す芸術人生だったと言える。ハチャトゥリアンのように強烈に土俗的な作風の作曲家でも、1 […]
アイヴズ 弦楽四重奏曲第1番「救世軍から」:若き迷いを吹き払う

アイヴズ 弦楽四重奏曲第1番「救世軍から」:若き迷いを吹き払う

アイヴズ 弦楽四重奏曲第1番「救世軍から」 アメリカ現代音楽のパイオニアことチャールズ・アイヴズ(1874-1954)の作品には、賛美歌の引用が頻繁に現れる。複雑さを極めて行く作風の中ですっと爽やかな風が通り抜けるような、美しい賛美歌のメロディーのおかげで、アイヴズの音楽のファンもいっそう増えたことだろう。 今回取り上げる弦楽四重奏曲第1番は、1896年、アイヴズがまだイェール大学在学中の作品で、 […]
ポール・リード ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲:菜園は循環する

ポール・リード ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲:菜園は循環する

ポール・リード ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲 実に愛らしい、クラリネットとハープのためのデュオ。忙しい毎日を過ごしている方々は、ちょっと一息つく際に、ぜひこの曲を流して欲しい。 よくラジオでは流れているようで、NHK-BSの「クラシック・ロイヤルシート」やTOKYO FMの「SYMPHONIA」という番組で、組曲の中で最も有名な第5曲「夏」が使われているようだ。 もともとはBBCのテレビ番 […]
マニャール ピアノと木管楽器のための五重奏曲:古典を意識しつつオリジナリティを出す

マニャール ピアノと木管楽器のための五重奏曲:古典を意識しつつオリジナリティを出す

マニャール ピアノと木管楽器のための五重奏曲 作品8 アルベリク・マニャール(1865-1914)はフランスの作曲家で、「フランス山人の歌による交響曲」で有名なヴァンサン・ダンディの弟子である。フランク門下でもあるが、ダンディの方が好みだったそうだ。 ヴァンサン・ダンディもまたベートーヴェンやワーグナーなどのドイツ音楽に深い敬愛を抱いていたが、その敬愛はマニャールにも受け継がれているのだろうか、フ […]
ベートーヴェン 交響曲第2番:古典派の臨界点

ベートーヴェン 交響曲第2番:古典派の臨界点

ベートーヴェン 交響曲第2番 ニ長調 作品36 かつてこのブログで交響曲第3番「英雄」を取り上げた際、「英雄」は交響曲の革命児だと書いた。ということは、その1つ前の第2番は革命を起こす直前、いわばアンシャン・レジームの真っ只中にいるわけだ。ものは言い様かもしれないが、確かにこの作品には熟れに熟れた古典派交響曲の魅力が詰まっている。 ハイドンやモーツァルトの交響曲の様式から脱却してオリジナリティを表 […]