クライスラー ウィーン綺想曲、ほか:小品について

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ヴァイオリン名曲集ア・ラ・カルト

クライスラー ウィーン綺想曲、愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン


ついこの間、千住真理子氏のヴァイオリン・リサイタルに行ってきた。
実に充実のプログラム、前評判通り力強く、かつ繊細な演奏で満足だったのだが、クライスラーの楽曲はなかった。少し残念。
数あるヴァイオリン愛奏曲において、もちろんピアノ作品や宗教曲の編曲も良いが、クライスラーのオリジナル作品もやはり醍醐味の一つだ。
クライスラーの小品は、旋律が聴きやすく、感動的である。
クライスラーはもちろん演奏家としても一流だが、彼の演奏で「名盤」として取り上げられるものを考えると、協奏曲における彼の奏するカデンツァの魅力も大きかったりして、結局作曲家としての才能のすごさを感じてしまう。
彼の小品の中でも有名な曲4曲を挙げてみた。


ウィーン綺想曲は、僕の最も好きなクライスラー作品で、4分程の中にウィーンの優雅な雰囲気と自由気ままなカプリチオの魅力が詰まっている。
愛の喜び、愛の悲しみは、よく対にして演奏される。どちらもテレビなどでもよく耳にする曲である。爽やかな愛の喜びと、悲哀な感情豊かな愛の悲しみ。
どちらも名曲だが、「愛の悲しみ」の方がより深い、というか、構成も情感もより複雑さがある。もちろん、両方とも文句なしに美しい。
そのあたり、愛についての真理と言ったことろか。
美しきロスマリンも有名な曲の1つだ。愛の~2曲と、この曲はよくアンコールで演奏される。
ロスマリンとは花の名前(ローズマリーのこと)であり、花言葉は「追憶」とか「思い出」「私を思って」。
美しい女性の象徴でもあるそうだ。美しい花、美しい女性、短い曲だがまさにそんな曲である。


小品、というのを考えたとき、その魅力は、演奏するのも聴くのも容易いということだ。
ちょっと空いた時間に楽譜を広げ演奏する楽しみ、短い休憩時間にさらっと聴ける楽しみ、それらはオーケストラの大曲などにはない魅力である。
そして、本当に良くできた小品というのは、容易く演奏しても、容易く聴いても楽しめるが、弾くのも聴くのもどこまでも極められるような、奥深い作品だろう。
その点クライスラーの小品はどうか。是非とも聴いて頂きたい。
僕は残念なことにヴァイオリンは弾けないのだが、ピアノ独奏用の愛の喜びもなかなか良いものだ。
機会があれば、もう1度か2度、クライスラーについて書きたいと思う。

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