鈴木雅明 バッハ・コレギウム・ジャパン《第九》

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今年は第九聴けないと思っていたら、偶然行くチャンスが到来。しかも12月16日はベートーヴェンの誕生日(多分)だそう。オケを聴くのも久しぶりで、昨年2月が最後でした。家にチビっ子たちがいるのでソワレもめったに行かなかったけど、だんだん大きくなってきたので、以前よりはコンサートも行きやすくなってきた、かな。まあ、まだ子どもとお風呂入れるうちはいっぱい入っておきたいからなあ(笑)

【鈴木雅明 バッハ・コレギウム・ジャパン《第九》】
(2021年12月17日、東京オペラシティコンサートホール)

ベートーヴェン 交響曲第9番 二短調 作品125「合唱つき」

鈴木雅明(指揮)
中江早希(ソプラノ)
藤木大地(アルト)
宮里直樹(テノール)
大西宇宙(バス)
バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)


僕のような素人の感想を読みたいと思った皆さん、感想の前に……第九がお好きな方、「誰がために第九は鳴る~ウラディミール・デルマン指揮ミラノRAI響 ベートーヴェン第九公演(1993)について」なんかどうですか?あるいは「「精神性」とは何か――クラシック音楽に再び訪れる精神性の時代を予見する」なんかも、お好きではありませんか?いやいや、バッハ・コレギウム・ジャパンが好きなんだという方、バッハでしたら、「『黄色の研究』・・・名曲探偵ボクノオンガク、ZYX殺人事件の謎を追う」とか「Lautenklavierで弾くバッハ」というバッハ関連の記事はいかがですか?以上、宣伝でした。


前提として、僕は結構、古楽好きなんですよ。ブログにはあまり書いてないけど、Twitterの方をフォローしてくださっている方なら、ルネサンス音楽の演奏会とかバロックオペラの蘇演とか、あるいは海外の古楽の音楽祭ネタをちょくちょく出しているのを見たことある方もいらっしゃるはず。でもツイートしても、その辺の話ってあまりウケは良くないというか、内容なくても有名指揮者の話とかしたほうが「いいね」もらえるんですけどね。


そういう前提があった上で、僕は第九に関しては、特に年末に聴く第九は、大編成で大迫力でどどーんとやるのが好きなんです。だからなるべくそういう感じの演奏になりそうな第九を選んで聴きに行くんですが、なかなかそうもいかず。でもBCJは、それはそれで楽しみにしていました。編成は小さくても鳴りますし、そもそも僕が生オケを聴くのが2年ぶりくらいなので、やっぱり迫力感じちゃいますよね。


それでも、迫力云々ではなく、BCJの演奏で感激したのは3楽章のアンサンブルの楽しさ、これは大編成オケではあまり楽しめない、パート同士のやり取りが非常に近く感じられて面白かった。そもそも年末第九商戦の演奏だと割とね、ミスったりすることも多いじゃないですか。さすがBCJ、素晴らしい室内楽的なアンサンブルを見せていただきました。感謝感謝。


僕はただの音楽好きで、特に強いこだわりや信念のある方ではないんですが、古楽界隈ってどうも尖った音楽家やファンもそこそこいるようで、なんというか、奏法とか、特にノンビブラートをビブラートより上位のものとする風な口ぶりだったり、こないだもなんか「古楽器の音を素朴って言うのは意味わからん」と仰っていた音楽家を見かけたのですが、まあその人の言いたいことは非常によくわかるんです、けれども、ね、なぜそんなに尖るのかと、ね。いや、古楽界隈は今までメインストリームじゃなかったから色んなとこで小馬鹿にされてきたという歴史があるんだろうけど、だからと言ってそれなりに市民権を得た途端やり返してたらさ、君らもその小馬鹿にする連中と同じじゃねーか、と思うんですよね。あ、僕は古楽自体は好きな上で言ってますからね、一応。そういう一部の人もいるよねって話ね。もう、どのオケとは言わんけどさ、生き様も音もゴリゴリに鋭利に鋭利に研いで研いで尖らせていくと、アホは簡単に「古楽はすごい!そうでないクラシックはぬるい!」って見下したがったりして。そんな人もいるんでしょうね、どこまで尖らすんだか知らんけどさ……と、僕もボヤきたくなったの。だから、僕は今回バッハ・コレギウム・ジャパンの第九を聴いて、ああ、「素朴な古楽で良いなあ」と思ったんですよね。BCJは古楽の中でも絶対、素朴な方でしょ。だから逆に良かった。曲が第九だから熱くなるし、キンキンに冷やして尖らせよう、みたいにはなりにくいとは思いますが。センセーショナルな第九自体は歓迎なんだけど、そういうのは日本の年末に聴きたい第九ではないしね、個人的には。


大編成で重々しくどーんというのが好きではあるけど、別にBCJにそれを求めるのはお門違いなのはわかって行っているので、サクサク進む音楽を期待して実際その通りだったし、チラシにあった「ベートーヴェンが生きた時代の音が響く」ってのも嘘ではないでしょう。いや、ベートーヴェンの時代、第九の初演は奏者100名超えだったんじゃない?とかいらんことは言わんでおこう。歌手が直前になってヌッと袖から登場したのはナイスでした。僕は一度でいいから、バリトンが客席後方の扉をバンって開けて「O Freunde, nicht diese Töne!」と言って出てくるのを見てみたい、それかゴンドラに乗って登場でもいい。そうそう、合唱の人でひとり、タブレットを楽譜(製本したやつ)に挟んで持ってて、ページめくるとき指でスッとやりながら歌っている方がいましたね。やっぱり古楽でタブレットはダメなのかしら、ベートーヴェンの時代にタブレットがあったらねえ(笑) ベートーヴェンが現代に転生したらタブレット使ってOKって言いそうじゃない?知らんけど。


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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