(記事作成日:2025年9月2日)
【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。アイカツスターズ!の曲紹介記事を2017~2018年に書き始め、2020~2023年にアイカツ!&未来へのSTARWAY、2023~2024年にアイカツフレンズ!、2024年にアイカツオンパレード!、2024~2025年にアイカツプラネット!を書き終え、ようやくフォトカツ!のCDレビュー記事へ。僕自身はゲーム未プレイなので情報等はネットで見ただけです。過去記事やその他アイカツ記事はAikatsuページをどうぞ。なお、前提として、僕はクラシック音楽オタクではあるがアニソンオタクでもないし、アニメオタクでもないと思っている。ネット上の他記事と内容かぶったらゴメンナサイ。あ、ネタバレ注意。
スマホアプリ『アイカツ!フォトonステージ』シングルシリーズ03 ドラマチックガール
1. ドラマチックガール
歌:わか・ふうり・ゆな from STAR☆ANIS &るか・もな・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
2. ダイヤモンドハッピー 〜あかり&スミレ&ひなき Ver.〜
歌:るか・もな・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:石濱 翔(MONACA)
3. Good morning my dream 〜いちご&あおい&蘭 Ver.〜
歌:わか・ふうり・ゆな from STAR☆ANIS
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
フォトカツ3枚目のシングル。帯には「何てコトない今日が トクベツだって思えるから――」とあり、泣かせにかかっている。ジャケットのソレイユは天羽先生、ルミナスは瀬名翼の、合同ライブのための新作ドレス(ドレスアップ後)。これドレスアップ前のも超かわいくて、見ると胸が苦しくなる。なんと、いちごちゃん以外はストラップレス。いちごちゃんだけレースの肩紐付けてるのはさすが天羽先生と言えよう。3人揃ってスケベドレスにしたのも、さすがセナツバだ、それでこそドリーミークラウンだよなあ!
ドラマチックガール
ソレイユとルミナスの合同ライブのための新曲という設定で、いちご(歌唱担当わか)、あおい(歌唱担当ふうり)、蘭(歌唱担当ゆな)、あかり(歌唱担当るか)、スミレ(歌唱担当もな)、ひなき(歌唱担当みき)が歌っている。タイトルからも制作陣からも「カレンダーガール」の続編的な曲だということが伝わるが、曲調はファンキーでグルーヴィでちょびっとセンチなアニメED音楽とは異なり、こちらはライブ前提のアゲアゲな渋谷系風味のロック・ポップ。ソレイユもルミナスもちょっと大人になりました感があって良いね。それにしてもまあ、完成度の高さ、えげつないなあ。別に全ての秀和曲を知っているわけではないが、僕が彼のアニソンの凄いと思っているところは、他の記事(8月のマリーナとアイカツフレンズ!)でも触れているように類稀なバランス感覚であり、多様で複雑なアプローチを取りつつも、それがきれいな外面というか体裁というか、そういうのを保っているところである。基本的にMONACA系の人は仕上げが非常に上手だけど、こんだけアレコレやっても美しく仕上がるのは彼の才能だと思うわ。イントロもかっこいい。CymbalsのHey, Leader!のようなイントロに続いて出るリフ、これも絶妙だ。キーA♭でここのコードはB♭7だが、リフのメロディ自体はしっかりA♭を主張するからブレないし、しかも歌の入りもリフを下敷きにしたメロディなので違和感がない。コロコロ変わり過ぎないから、忙しない印象を与えないのだ。変なことしてるのに、ちゃんと芯があるように感じられる。もっと言えば、スミレとひなきがそのリフ風メロディで、あかり登場からメロディを変えるのも巧みである。この順番だから良い。もちろん、あかりが「試行錯誤ジブン色」という歌詞を歌う良さもある。なんならここまではほぼ「カレンダーガール」と同じコード進行。意図したのかクリシェなのか知らないけど、結果的にオケオケオッケー過ぎる事象である。BメロでようやくA♭に帰るのもいい、ここでコードもリズムも落ち着いて、そこでソレイユが出る。後輩たちがチャレンジングな一方、先輩たちが大様に構えているようだ(この態度はゲーム中のシナリオとも一致する)。もう完璧なんだよね。いちいち語る必要ないくらい完璧なんだけど、せっかくならもうちょい書くか、この記事は新曲これしかないしな。サビ前の「はじめよう」のメロディもさ、あとサビ最後の「未来に約束」もだけど、START DASH SENSATIONの「立ち止まらないよ」っぽくてエモいんだよね。サビの頭の歌詞「何てコトない今日が」ってのも、おじさんたちはもう「何てコトない」って言葉だけで泣くようになってしまっているんだわ。サビのコーラスも完璧だ、この「ドラマチックガール」というコーラスが、メロディの抑揚、つまり「ラ」が頂点になるアクセント(イントネーション)も、ハーモニーも、全て文句なし。短いが、決して外せないこのワンフレーズで、絶対に外さない。こういうところが最高なのだ。他にも音色の可愛さや楽器ソロのセンス、非の打ち所がないオブリやバッキング、最後にプチャヘンザまでやって一旦〆てから再開してフェードアウトするところ、などなど、あれこれ言えるけど諸々割愛させていただいて一つ好きなとこを挙げるとしたら、ラスサビで転調しなかったところかな。本当に良い、このバランス感覚ですよ! 例えばGood morning my dreamの転調なんかは意味があるわけだけども、最近家で妻や子どもたちが好んで聴くJ-POPの曲の、まあ意味のない転調転調転調を聞かされ続けて、もう勘弁してくれと思っているから……ではない。時代・流行とはまた違うけども、この曲は最後に転調してアゲていく曲ではなく、もう既に曲全体を通して普通の曲の何倍ものドラマチックが溢れている曲で、その溢れたドラマチックを一滴たりとも零さないように、余計なことは一切せず、美しく綺麗にパッケージしているのだ。尊敬に値する。良い曲だ。あ、あと余談ね、この曲の「わたし、きっと、ずっと忘れない」のとこ、ココロノトモっぽいなあと(笑) あともう一個、ストーリー上はユニットをまたいだパート分けがされていて皆が驚くのだが、実際のところユニットをまたいでパート分けされているのは2番Aメロだけである。ここ、ちょっとしか聴けないけど、良い組み合わせだよね。
ダイヤモンドハッピー 〜あかり&スミレ&ひなき Ver.〜
アイカツ!のCDについて語る その6を参照してください。あかり(歌唱担当るか)、スミレ(歌唱担当もな)、ひなき(歌唱担当みき)によるバージョン。このCDはリリース時期が初代アイカツの放送が終わる頃、まさに大団円を迎えるタイミングであり、あかジェネ総決算の時期となるわけであって、そのタイミングでのルミナスによるダイヤモンドハッピーというのはまた特別なものだと思う。もなも脱退するタイミングだし。その当時は僕はまだアイカツと出会っていなかったのでそういう思い出はないのだけども。当時のフアンにとっては大きな意味があったカヴァーだと思う。
Good morning my dream 〜いちご&あおい&蘭 Ver.〜
アイカツ!のCDについて語る その15を参照してください。参照してみたらわかると思うけど、僕がさらに参考として貼ったブログ記事が2つともリンク切れになっている。著者さん方の責任ではない、当然、作曲家のせいです。僕は神経が太いので秀和を褒める記事をそのまま出しているが、非公開にしたり削除したりする人の気持だってもちろん理解できる。特に、存命のミュージシャンのことなのでね。クラシックの作曲家はそもそも問題児ばっかりだからなあ……。リンク貼った記事の2つめの方は、ソレイユがこの歌を歌う意味をストーリーと歌詞と結びつけて考察しているとても良い内容だっただけに、今回ここでも挙げたかったが、残念なことだ。あれ、僕が書けばいいのか!? ちょっと面倒だな(笑) 蘭が「大事な決意はきっとずっと前にしたの」と歌うのはトライスター脱退、さらに「今までとこれからにいちばん似合う朝を待っていたね」は朝、つまり太陽、ソレイユ結成、という話とか。2番Aメロの蘭の歌も、そういうことを思うと本当にね、うう……。いちご「夢にあつまって」、蘭「はじまる毎日」、あおい「目覚めてたmy dream」というのは、3人が集まって始まった毎日(それは何てコトない毎日でしょう)、つまり3人がソレイユを結成すること自体は、既に目覚めて「た」夢であり、それが125話の蘭のセリフにあるように「あたしたちの今の大きな夢ってのは、ソレイユを続けることだ」があって、曲の後半ではいちごが「目覚めてるmy dream」と、目覚めてたではなく目覚めて「る」と現在形で現在のソレイユ継続という夢を歌っているんだ、という話とか。当該の記事では、そんなようなことがもっともっと素敵に書かれていたはずである。あーあー、本当に、もっといい感じで書いてあったはずですよ、ごめんね、僕、適当で。僕はこのアイカツ楽曲レビュー記事という企画が、なるべく「アニメ考察記事」にならないようにしているので、参考資料としてぜひ挙げたかったのだけど、まあインターネット上の文章はいつ何時消えるかわからないものなんですよね。僕のブログだって、実はそれなりに貴重な資料や情報が載っていたりするんだけど、いつ消えるかわからないもんね。ともかく、ソレイユもアイカツも、永遠なれ。そういう気持ちで書いているんですよ。そうして書いて、ここで公開していれば、もしこのブログが突然消えてしまっても、僕の気持ちだけは、誰かにSHINING LINE*として繋がるかもしれないからね。
Author: funapee(Twitter)都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more








