アイカツ!のCDについて語る その19

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【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。つまり、アニメ「アイカツ!」の音楽はそれほどに素晴らしい音楽であることは保証したい。ポップミュージックの進化の歴史の最先端は常にアニソンなのだ。なお、前提として、僕はクラシック音楽オタクではあるがアニソンオタクでもないし、アニメオタクでもないと思っている。実はスターズから見始めたにわかなので、スターズ曲紹介記事を2017~2018年に書いてから、2020年、この無印アイカツ曲紹介を書き始めた。スターズ曲と違ってネット上でも紹介記事は多いので、内容かぶったらゴメンナサイ。あ、ネタバレ注意。


『アイカツ!』3rdシーズン新オープニング/エンディングテーマ Lovely Party Collection/チュチュ・バレリーナ
1 Lovely Party Collection
歌:るか・もな・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:石濱 翔(MONACA)
2 チュチュ・バレリーナ
歌:もな・るか・みき from AIKATSU☆STARS!
作詞:只野菜摘 作曲:石原理酉 編曲:成瀬裕介(onetrap)

アイカツ3年め後半のOP/EDで、OPはMONACA、EDはonetrap、どちらも良曲。ジャケットのスミレちゃん最高。ハイクオリティなアニソンに定評のあるMONACA曲が多かったアイカツの音楽にonetrapが入り、徐々にテイストも変わっていく訳だが、今回はMONACA石濱翔氏とonetrapは「オトナモード」の成瀬裕介氏で、両者引けを取らず。そして映像もめっちゃ良い。



Lovely Party Collection
3年め後半のOP、スウィングするドラムから始まるのは前のOP、Du-Du-Wa DO IT!!への意識かしら。Du-Du-Waのときに書いた「がむしゃら感」も、Lovely Party Collectionでは随分垢抜けて、アイドルとしての自信もつき余裕を持って魅せられるようになりました、という感じだ。ルミナス3人(歌唱担当るか・もな・みき)の歌もシャウトもかわいいし、この曲はとにかく音色に「カワイイ」が溢れている。レトロゲームのようなピコピコ音やアコーディオンっぽい音がそこかしこに配置され、ときに音階を駆け抜けていくのがとってもキュート。渋谷系っぽい音楽にOP映像の可愛らしさも加わり「カワイイ」の印象ばかり残るが、ちゃんと聴くとしっかりジャズなのがわかって面白い。Du-Du-Waの要素を活かしてパワーアップさせたような。可愛い音色だけでなく、ピアノ、ベース、ドラムはがっつりジャズ。テレビで見るとあまり気づかないところで、例えば間奏ではピアノ・ソロ大活躍、ソロ直後も謎の夜ジャズの香り、これは学園マザーお誕生日会夜の部だな……OP映像は学園長のサプライズ誕生日パーティーがテーマで、毎週歳を取るとネタにされてる。学園長=オトナの誕生日という主題は、「何てコトない毎日がかけがえないの オトナはそう言うけれど」に呼応しているようで、ああ、カレンダー上に1日しかない日、みんなが集まるスペシャルな時間、Lovely Partyなんだなあと。先日娘の誕生日を迎えたオトナ側の人間としては、色々感慨深いものがある。



チュチュ・バレリーナ
3年め後半のED、ここではルミナス3人(歌唱担当るか・もな・みき)が歌っているが、スミレと凛のユニット「ダンシングディーヴァ」の持ち歌でもある。ユニット名の通りダンサーとディーヴァの二人、スミレを象徴するゴシック風音楽と凛を象徴するゴリゴリなEDMが合わさったハイブリッドな曲調。曲調だけ見れば実際はダンスミュージックが主張するけども、ゴシックやディーヴァの要素も負けてない。というのも、まずシンプルに旋律の美しさが光る。きちんと歌物として聴ける。特にサビのメロディ。歌詞が結構くせの強い歌詞だが、そこに正々堂々の美メロを当てており、掛け合いもきれいで、朗々と響かす歌が続いたところで入る「それもひとつの準備」の部分のリズムが良い味出している。最後はリズムを活かした「頬にそっとキスする おやすみ チュチュ・バレリーナ」のフレーズで締める、実に良い構成だ。音色も、オルガン、チェンバロ、ハミングコーラス(ヴォカリーズ)と、ゴシック風味を多く取り入れ、特に間奏は大活躍。ダンス的要素についても少し触れておくと、ここで安易に4つ打ちではなく、ウィーウィルロックユー的なズンズンチャ進行にしたところも特筆すべきだ。独特の重苦しさを演出して面白い。アイカツには珍しい仄暗さ漂うED映像とよくマッチする。白眉はラスサビ前の落ちサビ(?)、「明日への幕が開く、夜が明けるもうすぐ」の部分だろう、ここの音楽はエグい。クラシカルな雰囲気に、低音で轟音を響かす電子音が加わり、圧巻である。ショートver.では聴けないけれども、これこそダンディヴァの真骨頂という感じだ。ダンディヴァver.(歌唱担当もながスミレ、歌唱担当ななせが凛)はベスト盤等に収録。そっちの方が好きだけど、あかり的目線もある歌詞で、ピクシブ百科事典ではチュチュ、バレエ、オデットスワンコーデ、瀬名翼などと絡めて語られている(↓)。

あかりちゃんとバレエの話は以前僕も書いており、その16を参照してください。先日サントリーホールで行われたオケカツ2ndでは、チュチュ・バレリーナは全編パイプオルガン・ソロの編曲で演奏された。それも大変良かったが(感想記事は↓)、ここまで原曲にクラシカルな雰囲気を持ち合わせていると、やっぱりオーケストラ編曲でも聴きたかったなあと思う。厚みのある弦奏でサビのメロディがグイグイと奏でられたらさぞ興奮することだろう。

アイカツ!のCDについて語る その1(2020年3月17日)
アイカツ!のCDについて語る その2(2020年7月14日)
アイカツ!のCDについて語る その3(2020年8月11日)
アイカツ!のCDについて語る その4(2020年11月30日)
アイカツ!のCDについて語る その5(2020年12月22日)
アイカツ!のCDについて語る その6(2021年1月29日)
アイカツ!のCDについて語る その7(2021年3月15日)
アイカツ!のCDについて語る その8(2021年5月24日)
アイカツ!のCDについて語る その9(2021年8月5日)
アイカツ!のCDについて語る その10(2021年11月15日)
アイカツ!のCDについて語る その11(2022年3月15日)
アイカツ!のCDについて語る その12(2022年4月27日)
アイカツ!のCDについて語る その13(2022年5月26日)
アイカツ!のCDについて語る その14(2022年6月30日)
アイカツ!のCDについて語る その15(2022年7月8日)
アイカツ!のCDについて語る その16(2022年7月27日)
アイカツ!のCDについて語る その17(2022年8月7日)
アイカツ!のCDについて語る その18(2022年8月27日)
アイカツ!のCDについて語る その19(2022年9月17日)
アイカツ!のCDについて語る その20(2022年9月28日)
アイカツ!のCDについて語る その21(2022年11月26日)
アイカツ!のCDについて語る その22(2023年2月12日)
アイカツ!のCDについて語る その23(2023年2月16日)
アイカツ!のCDについて語る その24(2023年2月18日)

Lovely Party Collection/チュチュ・バレリーナ
AIKATSU☆STARS!


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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