アイカツオンパレード！のCDについて語る　その4

【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。アイカツスターズ！の曲紹介記事を2017～2018年に書き始めてから、2020～2023年にアイカツ！&未来へのSTARWAY、2023～2024年にアイカツフレンズ！を書き、この度ついにオンパレまで到達。もちろんプラネットとフォトカツと10th Anniversary Albumも書いて全曲制覇を目指すべく、今回もまた新しいアイカツの扉を開けるのだ。過去記事はメニューのAikatsuページにまとめてあります。なお、前提として、僕はクラシック音楽オタクではあるがアニソンオタクでもないし、アニメオタクでもないと思っている。ネット上の他記事と内容かぶったらゴメンナサイ。あ、ネタバレ注意。

TV&WEBアニメ/データカードダス『アイカツオンパレード！』挿入歌アルバム Dream Festival

01：トワイライトエトランゼ
作詞：辻 純更　作曲・編曲：広川恵一（MONACA）
歌：あやね・えり
02：In bloom
林 奈津美（onetrap）　作曲・編曲：南田健吾（onetrap）
歌：あやね・るか・りえ/カレン from BEST FRIENDS！
03：コスモスサーチ
作詞：只野菜摘　作曲・編曲：帆足圭吾（MONACA）
歌：わか・るか
04：トワイライトエトランゼ（OFF VOCAL）
05：In bloom（OFF VOCAL）
06：コスモスサーチ（OFF VOCAL）
07：ドリームスクールグランプリ開幕
08：新人アイドルの悩み
09：あかりさす未来
10：憧れていた日々

WEBアニメ、アイカツオンパレード！ドリームストーリーのCD。音城ノエルを主人公にした10分アニメが6話、短いながらも音楽は高品質。でも本当はノエルちゃん主人公で2クールくらい見たいぞ！　CDは帯の一言ポエムが無くなっているのが悲しいが、それを補って余りある可愛らしいジャケット。

トワイライトエトランゼ
オンパレ最後の新曲2つのうちの1つ。過去作含めた大集合のお話であるオンパレの最後ということは、これまでのアイカツシリーズの最後ということであり、そういうタイミングで大人受けする超絶に良い曲を持ってくるところに尊敬の念を抱かざるにはいられない。過去作のフアンはこれこそアイカツの音楽！と納得し、この曲に「最後の花火」的な感慨を覚えるのかもしれない。が、しかし、真のアイカツ精神的には「アイカツ！はつづく！！」なので、この後もアイカツは果敢に新しいアイドル活動に挑み続けるのであった、めでたしめでたし。それはそれとして、非常にクオリティの高い曲だ。初聴時はビビったなあ。音城ノエル(歌唱担当あやね、でんぱ組.incの藤咲彩音)の初の持ち歌、彼女をセンターに、両脇を固めるのはドリアカの先輩そらとマリア(両者とも歌唱担当えり)。3人(2人)の歌はとても味があって素敵だ。そもそもノエル、そら、マリアというメンツだけでもうすでに面白いよね。理由は色々ありそうだけど、リズムと音色を際立たせたシティポップっぽい感じだし、姉の出る幕ではないね。作詞は辻純更、びっくりするくらい雰囲気があって、描かれる情景が実に良い。初々しい少女と大人に近づく少女の情景を、デビューしたての妹アイドルと先輩のオトナなアイドルが歌う、なんと狂おしいほどに愛おしい、時間旅行をするétranger、時の旅人なんでしょう。出だし(サビ)の「光と影が交差して」が即、Twilightを演出する、それを活かす音楽もイントロなしですぐに歌。シティポップ風なのもイントロなしなのも現代のトレンドで抜かりはない。作曲はMONACA広川恵一、出だし(サビ)のメロディも凄いね。「光と」でB♭M7、明るめメジャーセブンスなのに「影が」の「か」、つまり影になる瞬間メロディがA♭、マイナーセブンス、仄暗さを醸し出すという、ね。良いよね。この半音の違いは重要だ、歌うの難しそう(笑)　上でも書いたけど小洒落た音色のチョイスと適度に抜け感もあるタイトめなリズムが心地よい。間奏のブンブン鳴らす低音も超かっこいいな、まるでヘンリー・マンシーニの「ピーター・ガン」のようなベースラインがノれるノれる。こんなのどう考えたってフロアを上げるための音で、アニメのステージでは登場しないだけに「これ、ライブではどう踊るんだろう」とか「演出、照明、どんな感じなんだろう」と、考えるだけでワクワクが止まらない。まあそれもついにドリアカ10thのライブで明らかになるのだろう。なお、この曲を「カレンダーガール」と比較してnote書いてる人がいたので貼っておこう。

意外とネット上に「トワイライエトランゼ」について熱く語る記事は少なかった。ブログという文化も下火なのか、アイカツというコンテンツの黄昏と解釈すべきか……どちらかに勢いがあれば、このクオリティの楽曲ならもっと沢山文章が出ていたことだろう。僕はこのnote記事よりも未来に生きているので、残念ながら「カレンダーガール」ではなく「氷の森」を思い浮かべてしまう。曲中のめっちゃ可愛いフレーズ「帰りたくないなあ もう少し トワイライトの中」も、今やまるで氷の森の「いつまでもここにいたい 去り難いと思うけれど」を予期するかのよう。いのちの黄昏、芸術の黄昏、アイカツの黄昏。それも、キザだね。交差する光と影は確かに黄昏かもしれない。でも、クラシック音楽ファンの僕にとっては、まだまだ、アイカツに滅びの美学など似合わない。これを日の出前の薄明だと思えば、そうなるものなのだ。だってそうでしょう。泣きたい朝かもしれないけど、朝陽が降り注いで私が花開くんでしょう？　今までと、そして「これから」にいちばん似合う朝を待つんでしょう？　目覚めるたびに恋するんでしょう、おはよう私の大切なフレンズ、ママのおはようも太陽みたいなんでしょう！？
音楽というのは、まあもっとアイドル的に言えば、歌やステージというのは、一瞬で時空を超えられるものだと、僕は思っている。未来を信じるノエルちゃんたちは、瞬きの瞬間、もう未来を旅している。いつか誰かと歩いてるかもって。おい、らいち！甲斐性見せろや！　フアンだってきっと、この音楽を聴いた瞬間に、過去にも未来にも行ける。楽しい音楽の時間はいつもあっという間。そんな美しくも儚いトワイライト、どこへ旅しようか。思い出の眠る森も悪くないけど、やっぱり未来の中かな。

The Music from Peter Gunn
ヘンリー・マンシーニ

In bloom
オンパレ最後の新曲2つのうち、もう1つは「ドリームスクールグランプリ」という各校の代表が戦うイベントで使われた、大空あかり(歌唱担当るか)、音城ノエル(歌唱担当あやね)、白鳥ひめ(歌唱担当るか)、騎咲レイ(歌唱担当りえ)、神城カレン(CV:田所あずさ)によるバトルソング。バトルソングでいいのか。作曲はonetrap南田健吾、系譜的にはMUSIC of DREAM!!!的な、ピアノとストリングス盛り盛りの快速ロックが主体。リフのキラキラした印象からも無印終盤～スターズを彷彿とさせる音楽だが、スターズ代表はこういう曲があまり似合わないひめ先輩なので、似合っちゃうあかりちゃん向けなんだなあ。よってMoDではなくSDSの様相を示すのである。集大成は音楽も壮大、シンフォニック、ちゃんと鐘まで鳴る。それぞれのキャラがソロ回しをして自己アピールし、サビでコーラス。歌詞も音楽のアレンジもそれぞれのキャラに合った内容になっているから、まるでミュージカルだ。アイカツミュージカル、カツミュに新曲があったらこんな感じでやれそうだな。やってほしいよね、オケカツがあるんだからカツミュもいけるって。それはともかく、歌はみんな個性があって良いんですけど、やっぱ大空さんが頭一つ抜けてますよね、最高だな。何か最近アイカツ記事書くたびに、るか嬢のあかり/ひめの話しかしてない気がするから、もうやめておこう。

コスモスサーチ
データカードダスの方のオンパレで用いられた曲。コスモスの二人、星宮いちご(歌唱担当わか)と大空あかり(歌唱担当るか)の曲。只野菜摘&MONACA帆足圭吾という「ヒラリ/ヒトリ/キラリ」のコンビで、こっち方が「氷の森」コンビじゃないかと言われたらそうだし、何ならこっちの方が「カレンダーガール」感が強い。ファンキーな四つ打ちで、フィルインの雰囲気やストリングスの入れ方も非常にカレンダーガール。ある意味、データカードダスのエンディング、なんでしょう。「女の子の自己実現」を貫くアイカツも、プレイヤーが少し大人になってきたら筐体の曲も大人っぽくなるのか、知らないけど、ちょっと男の影が見える。男って言うとあれかな、お相手、くらいにしようか。そういう曲ってちょっと珍しくないか？　でもそれもソロではなくコスモスで歌うので、気になるあの子の話にもできるし、いちあか同士の話にもできるし、幅は持たせてあるね。「リードされたら嬉しい だけどそれだけを求め続ける女の子じゃない」はさすがアイカツ。あと個人的にはサビに出てくる「その意味において」という歌詞、この少し固い感じがたまらない。

ドリームスクールグランプリ開幕
各シリーズのフィッティング曲がマッシュアップされている。Digzの船越友貴さん担当。冒頭のファンファーレが気合い入りすぎて競馬場みたい(笑)

新人アイドルの悩み
あかりさす未来
憧れていた日々
この3つもDigzの船越友貴さんによる。

TV&WEBアニメ/データカードダス『アイカツオンパレード! 』挿入歌ミニアルバム Dream Festival