アイカツ!のCDについて語る 未来へのSTARWAY編

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【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。つまり、アニメ「アイカツ!」の音楽はそれほどに素晴らしい音楽であることは保証したい。ポップミュージックの進化の歴史の最先端は常にアニソンなのだ。2018年にスターズCD紹介記事を書き終え、2023年、初代アイカツCD紹介記事を書き終えたので、さて次はどのシリーズに……と、その前に、劇場版『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』のCDについて書いておこう。色んなところで色んな人が書いてそうだし、内容かぶったらゴメンナサイ。あ、ネタバレ注意。


劇場版『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』 ボーカル&オリジナルサウンドトラック
1.知らない未来の始まり
2.MY STARWAY
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:石濱 翔(MONACA)
歌:わか・ふうり・ゆな
3.久々の打ち上げ
4.考えるべき未来
5.自分の心に正直に
6.つながっていくもの
7.次に会う時のために
8.星空のフロア
作詞:きむらりゅういち 作曲・編曲:松井寛
歌:わか・るか
9.絶対また会える
10.未来の中の思い出
11.思いやる時間
12.間違いないこと
13.輝きのなかへ
14.卒業ライブ開幕!
15.スターライト
16.Signalize! ~トライスター & ぽわぽわプリリン ver.~
作詞:畑 亜貴 作曲:NARASAKI 編曲:SADESPER RECORD
歌:りすこ・れみ・えり・ゆな
17.受け取ったもの
18.TRAVEL RIBBON
作詞:辻 純更 作曲・編曲:瀬尾祥太郎(MONACA)
歌:るか・りえ・みき
19.みんなへ
20.氷の森
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:帆足圭吾(MONACA)
歌:わか・ふうり・ゆな・れみ・えり・りすこ
21.SHINING LINE*
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:石濱 翔(MONACA)
歌:わか・ふうり・ゆな
-BONUS TRACK-
22.コスモスライブ
23.大人の日常

この素晴らしい映画の感想記事はこちら。CD記事では基本的には歌付きの曲だけ書いていこうと思っているのだけど、場合によっては劇伴の方も少し語るかも。書いてみないとわからない。ジャケットは最高としか言えません。そんなん言ったら音楽も最高としか言えないよね……なんとか言語化しようという試み。


MY STARWAY
2022年夏の映画公開時に監督も言っていたが、昔アイカツを見ていた人に見てほしいとか、今までアイカツでやっていたことをやろうという言葉通り、映画のオープニングとして流れた瞬間に「あ、アイカツ始まった!」と思える音楽。そう思わせるのは冒頭の音列(その17その20、↓のツイートも見てね)、アイカツのライトモチーフと言ってもいいが、そのおかげだ。また、初代アイカツのオープニング曲としてはSTART DASH SENSATIONの次作に位置しており、今まで多種多様な音楽性の楽曲が用いられてきた中、こうして再びSDSを思わせる「シンプルで定番のアニソン」を提示してきたことに喜びを感じるオタクであった。めでたしめでたし……いや、これで終わっていいのか! まあ良いんじゃないかと思うほど、言葉にできないですね。多くのアイカツ曲が、様々な音楽性を元にラベリングすれば「◯◯的」と表現できる訳だけども、この曲はどうでしょう、もう「アイカツ的」と表現するのが相応しいのではないか。それは10年の膨大な楽曲の積み重ねがあり、それらを総合して感じ取れるものが、この「MY STARWAY」で結実しているという意味で。もちろん、そこに石濱翔自身の作曲であるSHINING LINE*が核としてあるというのがね、最高だよね。はい、言いたいことは言ったので、あとはノリで書くぞ。「時を超えて」と来たら「君を愛せるか」じゃん? はい、もう上書きされましたね。いやー、歌詞やばいよね。読解は他サイトにも色々ありそうだから省くけども。こだまさおり神を崇めよう。歌のパートも、いちご(歌唱担当わか)、あおい(歌唱担当ふうり)、蘭(歌唱担当ゆな)それぞれにとって意味深い分け方でとても良い。全部良いけど、個人的には蘭さんの「怖がらなくても平気」の部分の歌い方が一番食らう、うう、素敵過ぎる。作曲に関してはですね、さっきも書いたけどシンプルでバランス良い楽器のチョイス、生バンドでも出来そうなところに勝手に期待しちゃいますが、それはともかく、皆の度肝を抜いたのは2番Aメロでしょう。E♭を予感させておいて、セブンスから半音ずつ下がってくるベース、なんじゃこりゃ。なんてことは映画見ながら考えていませんが、誰もがOPsizeしか知らずにドキドキして楽しみにしていたフルバージョンが映画本編で登場する、その登場の瞬間だった2番Aメロで、きっちりファンの期待の遥か上を行く音楽、さすがアイカツ。やっぱりアイカツは真の音楽アニメだと胸に突き刺さった。間奏とDメロ(Cメロとも言う)のピアノエモらしさ(3+3+2のリズムもピアノエモっぽい、わかる人はわかるはず)もピアノエモ好きの僕は大好物。トドメのSHINING LINE*引用も(当然あの歌詞の変化も)、アイカツを愛してきた人たちのために、アイカツを愛してきた人たちが作ったということがバシバシと伝わる、本当に良い音楽だと思う。さっき「◯◯的」ではなく「アイカツ的」だと書いたけど、僕は何度かTwitterでも書いているように、やはりミュージカル的で、オペラ的であると思う。突然歌いだしたりはしないけど。今までのアイカツ曲もストーリーと密接に絡んでいるし、音楽がストーリーを形作っている点では50話と「カレンダーガール」の関係性を彷彿とさせるが、「MY STARWAY」はそれを更に発展させ、この映画のプロダクションナンバーであることを印象づけている。特に単に背景で流れるのではなくステージである点も含め、僕はドリームガールズが浮かんだし(3人だし!)、未来志向な音楽はレントさえ浮かんだ。「未来へのSTARWAY」は心の動かされ方がミュージカル的な映画であり、その中心となる音楽が「MY STARWAY」なのだ。

ドリームガールズ:デラックス・エディション(DVD付)
Sheryl Lee Ralph Tom Eyen Ben Harney & 7 その他

オリジナル・サウンドトラック レント
サントラ (アーティスト), ジョナサン・ラーソン (作曲)



星空のフロア
「フォトカツ!のCDについて語る その◯」をご参照ください。いや、書くんで。未来には書くんで、マジで。がんばる約束。


自分の心に正直に
学園マザーとりんごさん電話のシーン。Wake up my musicが用いられている。この曲は劇伴としてもおなじみだったので使われると嬉しくなる。てか泣く。


次に会う時のために
この曲のフレーズは「思いやる時間」「みんなへ」でも使われている。曲名の通り、この映画におけるいちごちゃんの思いを表すモチーフで、先に挙げたアイカツのライトモチーフ(石濱翔フレーズ)と同じ4音から始まる。


未来の中の思い出
この曲には触れなければならない。夏の映画の続きが始まる瞬間の曲。ジャジーなピアノソロは大人の現れか。「親友でライバル、ライバルで親友」から始まり、元気な「わたしたちのアイカツ!」のしっとりアレンジへと移ると、「SHINING LINE*」が一瞬だけ入り(きらめくライン、のとこ)、「あの日の思い出」へ。過去の劇伴メドレーでもある。MY STARWAYの2番もそうだが、こういう期待の高まるタイミングできっちり凄いものを出すから参っちゃうよね。

TVアニメ『アイカツ! 』オリジナルサウンドトラック アイカツ! の音楽!! 01
TVサントラ (アーティスト)

TVアニメ/データカードダス『アイカツ!』オリジナルサウンドトラック アイカツ!の音楽04
MONACA



間違いないこと
MY STARWAYのイントロのピアノのフレーズが用いられている。


輝きのなかへ
MY STARWAYの「眠れない夜は空を思ってる」の部分。悪いクセというか、この音列が出ると身構えてしまうので、映画初見時にこれはもしやと頭の片隅に置いておいたのだが……その後どうなったかはお察しの通り、いやー、鳥肌もんですわ。


Signalize! ~トライスター & ぽわぽわプリリン ver.~
曲については「アイカツ!のCDについて語る その1」をご参照ください。このステージを劇場で見れた喜び。最高でした。もうね、さくらちゃんばっかり目で追ってて、何度も劇場に足を運ぶたびに「いい加減今回はさくらちゃん以外を見るようにしよう」と思いつつも、始まるとさくらちゃんばっかり見るという。Blu-ray来たらじっくり見ます、さくらちゃんを。


TRAVEL RIBBON
これはやばい。まず曲云々の前にですね、ルミナスのお三方のドレスが、これはイケナイですねえ。ダメだって、それは。君たち。先輩の卒業ライブだぞ? こんなん絶対、スターライトはいちご世代原理主義ですみたいな過激派のファンから「これだからあかジェネは」とか「場をわきまえろ」とかネットで叩かれまくって炎上するだろ(※妄想です)。そのぐらいエッチかわいかった。夏の映画のプラネットのパラレラワールドも相当に可愛かったけど、同じ渋谷系の路線でさらに可愛さマシマシ、超えてくるよなー、そういうとこアイカツだよなー。音楽の話なんてどうでもいいくらいスミレちゃんの太ももにしか目がいかないをすると、速いBPMでテンションもアゲアゲ、他のステージ曲と雰囲気も変え、また時に半テンにしてしっかり歌を聴かせたり、ステージとして魅せる良さとメッセージを伝える歌としての良さを併せ持った、めっちゃ良い曲だと思う。音色もピコピコしてたりピチカートだったり、とにかく可愛い。コード進行も凄まじいセンスだが、それを可愛さと勢いできれいに包んでいるような。サビの転調もいいよね、旅立ちの一歩を踏み出すかのよう。間奏のコーラスから熱いギター、存外にロックで面白いし、名詞の並ぶ歌詞がリズム良く歌われるのが特徴的で、その部分を活かす楽曲構成も巧みだ。何度でも聴きたくなるし、何度も出てくるから嬉しい。歌はあかり(歌唱担当るか)、スミレ(歌唱担当りえ)、ひなき(歌唱担当みき)、みんな最高にかわいい。冒頭のあかり、登場だけで圧倒的。「地図、シャツ、水着いる?」のひなき、ぶっちぎりにかわいい。2番スミレのソロ、これだよこれこれ。もう皆好き。さて、一応触れておくと、どうにもこの曲から例のあの人の雰囲気を感じるという声も多々見かけて、僕自身も、言われてみるとそう思うところもある。業界の事情に詳しい訳ではないし、どこがどうと例示するのもちょっと気が引けるのでそっとしておくが、どんな事情があれ「TRAVEL RIBBON」は非常に出来の良い楽曲であることには違いないし、MONACA瀬尾祥太郎氏へは最大の感謝を贈るに尽きる。いろいろあるの。大人には。


みんなへ
一番泣ける。


氷の森
映画のエンディング曲。エンディング曲のタイトルが「氷の森」と明らかになったときのフアンのざわつき方は忘れ難い。作詞只野菜摘、作曲帆足圭吾、ヒラリ/ヒトリ/キラリ(とミトレジャーノ!)の組み合わせ。物凄く意味を持たせまくった歌詞に、帆足ストリングスが輝くバラード。Twitterか何かで「アイカツ版サライ」と書いてるのを見かけて笑ってしまったが、確かにそれっぽい。個人的には「アイカツ版旅立ちの日に」、かな。出だしのメロディも旅立ちの日にとちょっと似てる。8分休符から入るとこね。合唱曲ってのもそうだしね、ソロ回しではあるけど、サビもコーラスだし、結構掛け合いとかは合唱曲っぽいよね。こじつけかな。でも卒業だし。え、あかジェネ卒業映画のときはこれピアノ伴奏で皆が体育館で歌うシーンがあるんでしょ?(※妄想です) もう一つ思ったのは、「アイカツ版栄光の架橋」だわ、うう、泣けてきた。サビの入りがまんまなんだよね。泣けるね。栄光の架橋の歌詞ってさ、ほぼヒラリ/ヒトリ/キラリだからね。ということで僕の挙げた2曲も、あながち遠くないでしょ? 色んな意味で泣けるエンディング曲、フルバージョンはCD買うまで聴けなかった訳だけども、この間奏がやばい。まさか「芸能人はカードが命」を入れてくるとは……MY STARWAYの石濱翔セルフサンプリングに続いて、エンディングでは帆足圭吾のセルフサンプリング、これができちゃうアイカツの音楽ってなんて広く深いんだと、改めて感じる。歌はいちご(歌唱担当わか)、あおい(歌唱担当ふうり)、蘭(歌唱担当ゆな)、おとめ(歌唱担当れみ)、ユリカ(歌唱担当れみ)、さくら(歌唱担当えり)、かえで(歌唱担当ゆな)、美月(歌唱担当りすこ)、STAR☆ANISの8人、6人でも8人。色々あった。ここまでは来られた。凄いことよ。ありがとう。でもおやすみ。おやすみなんですよ、寝ないとね、人間、寝ないとダメよ、頑張るための休息必要だから。映画館では「あーアイカツ終わるんだなー」と思わせられたあまりにも悲しいこの曲も(しかし思いの外終わらないロングランであった)、「離れるのはまた会うこと」という、いちごイズムも2番で歌われて少し安堵し、それでも、「もう行くね、歩き出すね」に、行かないで!と泣きつくオタクの魂を鎮めるレクイエム。ありがとう、おやすみ、目覚めるために眠ろう、美しい思い出は氷の森で生き続けている。手に入れたこの羽で飛び立とう、私は生きるために死ぬのだ、そう、お前は蘇る、蘇るのだ!この心、一瞬にして!この胸の鼓動が「アイカツ!」へと導くだろう!おしまい。

旅立ちの日に 決定版!みんなでうたう卒業式の歌 ベストセレクション 中学校/混声版
合唱

1~ONE~
ゆず



SHINING LINE*
アイカツ!のCDについて語る その12」をご参照ください。アイカツ!はつづく!!

アイカツ!のCDについて語る その1(2020年3月17日)
アイカツ!のCDについて語る その2(2020年7月14日)
アイカツ!のCDについて語る その3(2020年8月11日)
アイカツ!のCDについて語る その4(2020年11月30日)
アイカツ!のCDについて語る その5(2020年12月22日)
アイカツ!のCDについて語る その6(2021年1月29日)
アイカツ!のCDについて語る その7(2021年3月15日)
アイカツ!のCDについて語る その8(2021年5月24日)
アイカツ!のCDについて語る その9(2021年8月5日)
アイカツ!のCDについて語る その10(2021年11月15日)
アイカツ!のCDについて語る その11(2022年3月15日)
アイカツ!のCDについて語る その12(2022年4月27日)
アイカツ!のCDについて語る その13(2022年5月26日)
アイカツ!のCDについて語る その14(2022年6月30日)
アイカツ!のCDについて語る その15(2022年7月8日)
アイカツ!のCDについて語る その16(2022年7月27日)
アイカツ!のCDについて語る その17(2022年8月7日)
アイカツ!のCDについて語る その18(2022年8月27日)
アイカツ!のCDについて語る その19(2022年9月17日)
アイカツ!のCDについて語る その20(2022年9月28日)
アイカツ!のCDについて語る その21(2022年11月26日)
アイカツ!のCDについて語る その22(2023年2月12日)
アイカツ!のCDについて語る その23(2023年2月16日)
アイカツ!のCDについて語る その24(2023年2月18日)

劇場版『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』 ボーカル&オリジナルサウンドトラック
わか・ふうり・ゆな・れみ・えり・りすこ・るか・りえ・みき,MONACA


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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